エビデンス取得をお考えの企業様の素朴な9個のQ&A
  • 1.治験・臨床試験・エビデンス試験の違い

    業界には3つの試験があります。1つは治験で、製薬会社が新薬を開発するため病者を対象とし、試験機関は製薬会社が作成した試験計画に対して被験者を集め試験を実施し、結果を納品します。試験計画を正確に遂行することとその対象商品が効果があるのかないのかを証明すること重要です。2つ目の臨床試験は新薬の開発の試験計画を応用して、食品(サプリメントなど)試験(機能性表示食品が該当)を健常者を集め実施し、結果を納品します。3つ目のエビデンス試験は、商品のヘルスクレームにもとづき、その商品の効果を健常者を集め実施し、その結果を商品プロモーションに活かせるようにすることを目的としている試験機関です。

  • 2.試験を依頼する上で準備することは

    自社の購買層の年代に対して、商品で何を謳いたいのか、何の効果が見たいのか、どういう商品プロモーションをしたいのか明確にしておくこと。また予算・納期があれば事前に伝えることが重要です。そして、試験を実際に行う現場と会話をすることが重要です。営業担当までは試験内容の詳細が伝わっているが、試験を行う現場では伝わっていないことがケースも多々あり、健康診断のように流れ作業の試験を行うこともあります。また試験に馴染みない場合は現場から情報を与えてくれて専門的な言葉で伝えられるより一般の用語で伝えてくれるところが安心です。弊社もクライント様が腑に落ちていない様子であれば試験は先に進めないようにしています。

  • 3.試験プロトコルとは

    試験プロトコル(プロトコールと呼ぶ場合もあります)は、試験計画書のことで、どうのような被験者を集め、どのくらいの期間商品を使用し、どのような測定・検査を行い、どのような評価をするか記載したものです。試験の実質的なスタートはここから始まります。打合せで確認した内容が反映されているか確認して下さい。お任せにしてしまうと不要な測定・検査、また必要な測定・検査が抜け落ちていることがあるかもしれません。

  • 4.倫理審査委員会(IRB委員会)とは

    試験を実施する上で第三者機関の倫理委員会(IRB委員会)に申請を行い、その試験計画に問題がないか、被験者の人権保護が行われているかチェックします。
    倫理審査委員会は、
    ①医学・医療の専門家等や自然科学の有識者、
    ②倫理的・法律学の専門家や人文・社会学の有識者、
    ③研究対象者の観点も含めて一般の立場から意見を述べることが出来る者、
    ④倫理審査委員会の設置者の所属機関に所属していない者から構成されています。
    試験計画書、試験内容を説明する書類(同意取得書)、アンケート、日誌、商品の成分など提出し審査してもらいます。

  • 5.被験者募集・負担軽減費とは

    試験の対象者を集める場合、まず被験者募集費用が発生します。次に試験が始まった場合は来所ごとに負担軽減費をお渡しします。被験者の費用はこの2つから成り立っています。統計学的に見ると多くの対象者を集めて試験を実施したほうがエビデンスレベルが高いとされ、例えば10人でやるよりも100人でやるほうが結果が出やすい傾向にあるのも事実です。しかし、被験者数が多ければそれだけ費用が掛かってしまうデメリットがあります。医薬品においては病者を対象とした人の生死がかかっていますのでより精度の高いエビデンスが求められます。一方健常者を対象した健康食品・化粧品・施術では商品の効果があるのかないのかがポイントですので被験者数はその商品に応じて適正数があります。

  • 6.試験はどのように行われるのか

    健康食品・化粧品・施術でそれぞれ試験実施期間は異なりなすが、3つのパターンがあります。1つ目は単回試験と言い、その日商品を試してもらい試す前と試した後の数値変化を観察します。主に施術・美顔器の試験が多いです。2つ目は、2週間・4週間・6週間など継続して試してみてその変化を観察します。主に化粧品・美顔器が多いです。3つ目は8週間・12週間などの継続試験で、8週間の試験では4週間目に、12週間の試験では6週間目に中間の測定・検査を行い観察します。主に健康食品、機能性表示食品が多いです。どの試験においても、参加者に試験の趣旨を説明し同意を得てから開始します。また試験期間中は毎日日誌あるいはウェアラブル装着で正しく行われているか管理しています。

  • 7.試験実施結果報告書とは

    試験実施結果報告書とは、試験の結果をまとめたもので、何人の参加者で行ったのか、参加者の平均年齢、測定・検査方法、各評価項目の試す前の平均値・標準偏差、試した後の平均値・標準偏差、試す前と試した後の差異、統計解析のデータとコメントが記載されています。また、社内プレゼン資料・販社資料などに活用できるように数値だけでは分かりにくい部分もありますのでグラフ化したものを載せています。試験においてはこの報告書が納品されて一旦終了になります。納品は概ね試験が終了してから1ヶ月後になります。

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  • 8.論文・学術誌とは

    論文は実施した試験結果にもとづき文献化することです。クライント様の目的によって違いますが、①試験を実施したエビデンスとして査読付きの学術誌に掲載する、②BtoBでの取引において自社の商品がエビデンスをきちんと持っていますというツールとして掲載雑誌を配布したり、プレゼン用に使用します。論文は試験終了後から作成が開始され、概ね1ヶ月で完成、その後査読付き学術誌に投稿します。査読が通過した場合は概ね2ヶ月後には学術誌に掲載されます。

  • 9.試験結果の活用法とは

    投資をして試験実施結果報告書が納品されたが「さて、この結果をどう活用しようか」と言う相談が多くあり、「試験を行うと売上が上がるのですか?」という質問も多く受けます。それはそうです、試験に投資して回収しプラスに出来なければ意味はありません。弊社ではそのクライント様の販売戦略に応じてアドバイスを試験費用内で行っています。健康食品・化粧品・施術ではそれぞれ活用方法が違います。試験を実施する前に、商品のヘルスクレーム、販売戦略を共有し目的に向かって進めていくのがエビデンス試験です。